しな軸では、親を学校の回し者にしたくないと考えています。
親を学校の回し者にすると、
- 子どものサイン(悩みや苦しみ)を見逃す。
- 子どもの考える力を奪う。
- 親も教師も心が疲弊する。
といったことが起こるからです。
学校の回し者とはどういうことか?
学校の回し者というのは、先生から言われたことを
- そのまま鵜呑みにして子どもに伝えること、
- 言われたことを躍起になってさせようとすること、
を言います。
要するに「先生から言われたことをちゃんとしなければ!」と、言われたことを「言われたように子どもにさせようとしていること」が、学校の回し者だということです。
先生から言われたことを無視して、反抗しろ!と言っているのではなく、
学校や先生や子どもの協力者にはなりましょう。と伝えています。
例えば、忘れ物が多いので忘れ物がないように家でも指導してください。と言われた場合、
親は「先生から言われた!」と思い、大概、忘れ物をしないようにと対策を立てます。
- 前の日に準備をする。
- 準備を親と一緒にする。
- 準備をした後に親が点検する。
- 準備ができたことを褒める。
- 準備ができたか点検表を作る。
- 忘れ物が多いと「大人になってから困るよ」という。
それでも忘れる場合、口うるさくなります。
- 「やりなさい」と何度もいう。
ないしは罰や褒美といった力でコントロールしようとします。
- できない時は「ゲーム禁止」(罰を与える)
- できたら「ケーキあげる」(褒美がある)
でもやらされて準備をしていたり、親が点検し手伝っていると、今度忘れ物をした時、子どもは親のせいにします。
そもそも、なぜ忘れるのでしょう?
忘れ物をして本当に困っているのは誰でしょう?
こんな相談がありました↓↓↓↓
忘れ物が多い子どもに手を焼いています。どうしたらいいですか?
誰が本当に困っている人なのかを確認する
上記の相談は、先生から指摘されて、一番に困った親は、子どもの先回りをして動いていることに気づいていません。
これではしんどいですよね。
一般的な対応で軸対話を実践していなければ、先回りをしていることにはなかなか気づけないものです。
軸対話ではいつも
何か「イヤだ、困った」と感じる出来事が起きた時には、
- どっちが困ってる?
- 誰が困ってる?
と、自分に問いかけます。
子どもの忘れ物で、親自身が困っているなら
1、内観法の応用の吐きだしワークで、心を落ち着かせましょう。
2、その後、冷静になれば、親が困るのはおかしな話だと理解できるでしょう。
3、もし理解できない、心が落ち着かないのであれば、心理療法が必要でしょう。
一度試してみて下さい。
子どもの忘れ物で、子ども自身は困っているのか?
忘れ物常習犯ということは、子どもは忘れると困るという自覚がなさそうですよね?
今のところ、子どもは困っていません。
でも、あなたは気になる…
心が落ち着いたところで、一応尋ねてみましょう。
親からアイメッセージで伝えてみる
親であるあなたが心配になっていることを、アイメッセージ(主語が私のメッセージ)で話してみてもいいですね。
「忘れ物が多いと、授業がわからなくて困っていないの?忘れていることが恥ずかしくないの?お母さん、心配だわ」(セリフはほんの一例です)と。
ここでは親としての心配な気持ちを伝えつつ、子どもの思いや心を確認していっています。
しかしちょっと待ってください。
ここでの登場人物には先生もいましたよね?
先生が、わざわざ電話してくるということは、先生は何を困って電話されたのでしょう?
先生が困っているなら
先生の代弁者として、先生の意向を確認する
- 子どもの将来のことでしょうか?
- 授業の説明で、忘れ物があると困るものがあるのでしょうか?
- 授業が進まないのでしょうか?
これも先生に確認した方がいいですよね。
次の授業で、これを忘れると作業が遅れるという具体的なことがあれば、それを子どもに伝えればいいですよね。理由が分かれば、子どもにも伝わるでしょう。
要は、子どもは、今、何で困った方がいいのか分かっていないのです。
さほど先生のことを嫌っていなければ、この授業の時にこれを忘れると困ると自覚できれば、持っていくでしょう。
もし何か先生や生徒との間で何かあるなら、先生の話をきっかけに、子どもの本心も聞けるかもしれません。
▲
これ、結構あります。
忘れ物や先生との関係ではなく、机が近い友達とトラブっているということもありました。
問題は別にある、ということです。
子どもの課題として、放置という手もある
忘れ物は子どもの課題なので、子どもが困るまで放置。
という手もありますが、忘れ物をしないように手をかけるほど関わりたいのであれば、しっかり関わって話を聞いた方がいいですよね。
放置という、見守るという手もありますが、親自身がどう関わりたいのかを明確にしてから対応するというやり方が、軸対話の対応の仕方です。
こんなの当たり前だ!常識だ!と、話を省いているだけ
おそらく先生は、これぐらい説明しなくても分かるだろうと、親にも子どもにも話を省いているだけでしょう。
話を省かれると、理解できない親も子どももいます。
欲求が明確になると動ける
親は親で「先生から言われた」ということだけに反応し「何を確認」し「本来の目的は何か」という本質を見失っています。
人が動きたくなるのは、自分の欲求が明確になることです。
親は、人から言われることが、兎に角恐ろしく、誰からも指摘されないように生きたいという欲求があるので動いています。
でも子どもには違う欲求があるのでしょう。
誰のどの欲求が阻害されているのかを明確にする対話をしながら、対策を練った方が、本当の問題が明確になるし、子どもの自主性が育ちます。
あなたはどう思いますか?
まとめ
- 人から言われたことを鵜呑みにすると、心が見失われ先回りの行動をして対策が空回りや遠回りをします。
- 先回りの行動というのは、相手の欲求を確認せずに動くことを先回りの行動と言います。
- 欲求を確認しながら行動する方が、協力者になれますし自分軸のある親子になれます。
- 人の言葉が気になる他人軸の子育ては、空回りをしやすいので心が疲れます。
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