vol.1〜9を読んで、どんな感想をお持ちですか?
「軸対話は、なんとなく良さそうだぞ」と思えてきたでしょうか?
『人間関係』や『こころ』が複雑になるのは、無意識(メンタルモデル)に翻弄されているからです。
無意識に翻弄されるのではなく、できるだけ意識化していくためにも軸対話が必要です。
それは、今まで無意識で気付きにくかったことを、意識して気づいて行動(話し合いも含む)していくということでもあります。
無意識を無意識のままにしておくということは、下記の不都合が起きます。
- 何か不都合なことやトラブった時、適切な見直しができずモヤモヤが残る。
- モヤモヤは知らず知らずに溜まります。
この結果、ストレスが爆発したり、心の病が起こったり、生きづらさを感じながら生きる、といったことに繋がっています。
では、軸対話があると、どう変わるのか?
- 適切な見直しが直ぐにできるようになり、ストレスフリーになります。
- 無意識を意識化すると、対人関係において人と話し合いがしやすくなります。
- 相手を理解しやすくなるので対話がしやすく、協力が得られやすいということもあります。
なんだか、心がかる〜く、ラク〜〜になるイメージしませんか(^-^)?
軸対話の利点の一例として上記をまとめると
「人間関係がストレスフリー」
「孤独な子育てから解放」
「協力の得られる子育て」
ですが、これだけではありません。
もっと奥深い利点があります。
この奥深い利点を、2つの『方法』と、事例を元に説明します。
人育てには『表面の方法』と『本質に基づく方法』がある。
やり方(方法)には下記の2通りがあります。
- 表面の習慣を変える方法
- 表面も含めた『本質に基づく方法』
どちらが「良いか、悪か」ではありません。
本質を抑えてから、表面の方法を取り入れた方が効果的です。
本質を抑える、本質に基づく方法として軸対話メソッドが最適です。
その理由を子どものテスト事例より説明します。
表面の方法とは
子育ての仕方として、こんなことをよく聞きませんか?
- お子さんのすることには、褒めてあげて下さいね〜
- お子さんのが元気がないときには、励ましてあげて下さいね〜
- お子さんのすることで良くないことは、良くないときちんと教えてあげて下さいね〜
と、聞いたことがある人は、多いと思います。
こういった方法の教えが、親にインプットされているとしましょう。
それが子どもに与える影響は、どのようになると思いますか?
子どものテストの点数が60点だった。
この点数を見て怒る親もいれば、褒める親もいる。
- 褒める親が良くて、怒る親は悪い。
- 怒る親の方が真剣だから良くて
褒める親はごまかしているからダメ。 - 怒るとか褒めるじゃなく、
勉強の方法を教えることがいい。
と、世間でも色々言われているので、親もどうして良いのか頭を悩ませます。
子どものテストの点数を通して子育てを見る…「表面の方法」のとは
- こんなタイプにはこう言いましょう。
- こんなときにはこんな方法で勉強するように促しましょう。
- こんな風にすると勉強するようになりますよ。
と、言う様々な方法が教えられます。
この「表面の方法」を即実行するのではなく、これらを実践する場合、軸対話により本質を抑えてから、これらの方法を取り入れると効果的です。
軸対話により本質を抑えるというのは、どういうことか?ー本質に基づく方法
そもそもテストはなぜするのでしょう?(本来の目的)
テストは学習した内容が理解されているかどうかをチェックするもの。
その人自身を評価するものではありません。
軸対話では、いつも最初に
「どっちが困ってる?」を問いかけます。なので
テストの結果60点
テスト用紙の点数と言う【事実】を見た、ある親子がいます。
テストの結果が60点であることで、親と子の
どっちが困るのでしょうか?
誰が困ることでしょうか?
親が怒る状態は、親が困っています。
親が困っても良いけれど、親が困るなら三部構成のアイメッセージを考えます。(詳しくは軸対話へ)
子どもが困ってくれないから親が怒って困らせるんです!
と言う人もおられました。
しかし子どもより先に親が反応すると、子どもは親の対処に気が向いて、自分自身は本来の学びに集中できなくなります。
褒めても良いけれど、怒っても褒めても、人の評価のために勉強すると言うことになります。
それで良いのでしょうか?
いや、そうは言っても、結果が大事でしょ!
テストというのは結果だ!
世の中というのは結果が大事なのだ!
それを教えなければ!
と、思うなら、結果に反応している状態です。
結果に反応している場合は、親自身の心の内側を見つめるチャンスです。
テストは誰のためにするものですか?
その結果に、一番に感情が動くのは誰でしょうか?
怒るにしても、褒めるにしても親が先に反応すると、大切なことが見失われます。
それは「そもそも何のためにテストをするのか?!」という意図が、見失なわれているのです。
現状把握が大事
テスト自体は子どもに起こった出来事です。
それぞれの子どもで、背景が違うでしょうし、感情や欲求、価値観も違います。
ここでは3人3様から、違いを見ていきましょう。
【注】以下の親子の会話は一例で、正解というわけではありません。
a:ニコニコして喜んでいるかもしれない子どもに
今まで30点だったのが倍の点数でした。
あなたは、どう声をかけますか?
【親】「嬉しいんだ、頑張ったんだね」
【子ども】「うん、頑張った」
b:全然気にも留めず、平気な子どもに
あなたは、どう声をかけますか?
【親】「全然気にならないようね」
【子ども】「まあこんなもんやろ」
学校の勉強にはあまり関心がないのかもしれません。
ないしは、他に気がむいているのかもしれません。
c:ポイっとしてムッとしている子どもに
あなたは、どう声をかけますか?
【親】「悔しいんだ、こんなはずじゃんかったんだね」
【子ども】「そうだよ!もー」
テストを持ってきた子どもの表情や中身を見ると、子どもの様子がわかります。今、こんな状態だねと伝える、、これがアクティブリスニングです。
現状把握してから次に進む
これらabcの会話をしてから、
- 『子どもは親を必要としていない』のであれば、見守る。
- 『子どもが親と話したい』『親も子どもと関わりたい』のであればテストの中身について話し合っても良い。
以下は表面の方法ですが、テストについて話すなら、
- どこがどんな風にわかっていないのか。
- 凡ミスなのか、 本当に理解していないのか。
- 間違いに傾向があるのか。
- その傾向は脳の癖なのか
関わる場合、子ども自身を評価するのではなく、テストという事実について話をします。
表面の方法は、親が子どものために良かれと学んだ知識です。
知識も活かす場面というのがあります。
軸対話があれば、より効果的に活かすことができます。
軸対話を知らないとメンタルモデルが生産される。
軸対話の『どっちが困ってる?』という対応を知らないと、テストという事実に安易に親の感情をのせてしまい、子どもを評価することにもなりやすい。 すると子どもは、
- 「テストの結果がいいと親が喜ぶんだ」
- 「私がしたことの結果が悪いと困る人がいる」
- 「私は兄弟より出来が悪い人」
- 「順位が悪いことは恥だ」
- 「順位がいいと偉い」
そのうち
- 「勉強できない私は嫌われる」
- 「どうせ私はダメな人」
このように、テストの結果に様々な意味づけをしていきます。
そして、メンタルモデルが生産されています。
ここまで見てきたのは、子どものテストという小さな出来事です。
しかしその小さな出来事で、本来困る人が困らず、困らなくても良い人が困っている場面が多く見られます。
その結果、攻めたり評価したりすることで、負の要素のメンタルモデル(思い込み・意味付け・無意識など)が生産され、それによって自己肯定感まで失われるのです。
「そんな訳はない」と、信じられないかもしれません。
ならば、あなたが子どもだった時のことを思い出してみて下さい。
テストの点数は、評価に意味があるのではなく知識の確認でしたよね。
テストの点数を見て、親が最初に怒るとか褒めるというのは反応会話です。
この反応会話をすることで、テストの結果に人の評価を加えることになります。
そうなんです。
反応会話でテストの結果に対応していると、他人の評価を得るために勉強をすることになります。
他人の評価を得るための勉強は多くの場合、長続きしません。
また、結果を出せても出せなくても意欲を失いやすくなります。
勉強すること自体が、嫌になりやすいのです。
そして事実が事実のまま観れなくなり、他人の評価が変に気になります。
あなたは、子どもがそうなることを望んでいましたか?
怒ったり褒めたりしたくなるのは、なぜですか?
このように、テストの結果という出来事ひとつをとっても、親は怒ったり、褒めたりしてしまいがちですよね?
それはきっと、子どものことを思っているからですよね?
- 子どもを愛している
- 子どもに頑張ってほしい
- 意欲を持ってほしい
- もっとイキイキ生きてほしい
と、これらは、あなたが「心を育てたい」と思っているからです。
対応の仕方を知らないとやっちゃいますよね。
だって、自分もそうされてきたし、そうされるのを見てきたのですものね。
そして、その私たちの親も、そうして育ってきた人が多いのだと思います。
だって、誰も親のなり方なんて、学んでいないのですから!
なんども言いますが、ほとんどの人が学んでいません。
この軸対話を知らないと「思い込み」という「メンタルモデル」を作ってしまうのです(><)
もちろんメンタルモデルは、親の会話の仕方だけで出来るものではありません。
ですが親は、愛があって、関わり合いたいという思いがあるのに、結果的に子どもを生きづらくしてしまっている。
長い人生、生きやすくしてあげたい、幸せになってほしいと願っているにも関わらず、苦しめてしまっている。
ただ軸対話を知らないがために、その反対の現象を起こしている。
というのは、悔しくないでしょうか?
軸対話対応をしていると不要なメンタルモデルがつかない!?
軸対話対応をしていると、不要なメンタルモデルがつきません。
軸対話でテストの対応をしていると、点数も順位もただの数字として子供は捉えます。
ただの数字であり、順位です。
そこに自分自身への評価を、組み込みません。
テストの結果は、間違いや失敗している傾向を確認するためのものであり、
自分の位置が、今はこの位置だということを淡々と把握し、この結果を見て、どうしようかと自分で考えます。
自分で感情を感じ、欲求を確かめ、その価値を確かめて考えて行動します。
この勉強は向いていないと思えば向いていることをするでしょう。
他人軸ではなく自分軸で行動します。
軸対話を取り入れた氷山モデルのイメージは、本来の氷山モデルのもっと底に自分軸が存在しているイメージです。
本来の目的や本質を見失わないために
あなたの溢れる愛を抑えるために、
『本質に基づく方法』である”軸対話”が必要なのです。
実践は正直、難しいです。
無意識に蓄積してきたものを意識しないといけません。
また、相手に対して思いがあればあるほど難しいです。
プロの教育者も思いがあるので難しいです。
ですが、不思議なこととに、子どもは軸対話が上手です。
経験が浅く、自分の欲求や感情に正直で、まだ無意識にメンタルモデルがついていないから上手なんです。
大人が思い込みや厳選されていない価値観をつけた対応をするので、分からなくなるだけです。
そう、あなたも実はできていたんです。
人間関係や心が複雑になるのは、曖昧であること、無意識(メンタルモデル)に翻弄されているからです。
軸対話があると、無意識を意識化していくことが可能です。
このメンタルモデルは、誰もが悪気があって作られたものではなく「自分自身の身を守るため」や「必要と判断して学んだ知識や経験」「大人からの愛や思い」から作られました。
ですが負のメンタルモデルがあることで、生きにくいと感じている人は増えています。
メンタルモデルは、自分では気づきにくいものとして、メンタルモデル自体を変える方法が主流です。
しかし軸対話を採用すると、今在るメンタルモデルを無くしたり変えたり足したり自由になります。(意味付け自由人)
本質に基づく方法の”軸対話”で無意識を意識化して複雑な心をシンプルにしましょう。
一見、大変そうですが、意味付け自由な人間関係は、本当に心が軽くなりますよ。
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